キャリアパス支援

温谷 恭幸
ヌクタニ ヤスユキ
所属
都城市郡医師会病院 栄養管理室 室長
管理栄養士
食と医療の現場から学んだ、キャリアの広がり
私が医療・栄養の道を志した原点には、「食を通じて人の健康を支えたい」という思いがあります。幼少期の入院経験から医療に興味を持ち、さらに調理を学んだことで、食と健康の関わりをより深く理解したいと考えるようになりました。その思いが管理栄養士という専門職を選ぶ大きなきっかけとなりました。2005年に北山病院へ入職してからは、給食経営管理や栄養指導、栄養管理に携わり、患者さん一人ひとりの生活背景に寄り添いながら栄養の力を届けることの重要性を実感しました。また、保健所監査や医療監視に対応した経験は、組織運営の視点を学ぶ貴重な機会となり、その後のキャリアの基盤となりました。
2008年から勤務した武田総合病院では、NST活動や急性期栄養管理に加え、外来糖尿病患者や透析患者の栄養指導に深く関わりました。継続的な支援が治療効果に大きく影響することを実感し、栄養指導の在り方を改めて考えるきっかけにもなりました。学会発表にも積極的に取り組み、糖尿病、栄養評価、クックチル導入など多様なテーマで成果をまとめる機会をいただきました。2012年には副主任として新人教育や学会発表支援を担当し、「人を育てる」という新たなやりがいにも出会いました。
2013年に宮崎へ帰郷する前には、近森病院でNST研修を受け、急性期・集中治療領域の栄養管理を体系的に学びました。この経験を活かし、小林市立病院では病棟常駐管理栄養士として急性期栄養管理に従事しました。多職種と連携しながら、排便コントロール、術後早期栄養療法、NSTの活動強化などに取り組み、講演や学会発表を通じて地域医療へ貢献する機会にも恵まれました。2018年からは都城市郡医師会病院で栄養管理に携わるとともに、看護・リハビリ領域の教育にも関わり、専門職育成の一端を担っています。
これまでのキャリアを振り返ると、私は常に「医療職」として医療者や患者さんを支える役割に魅力を感じてきました。栄養管理は目に見えにくい領域ですが、治療効果や患者さんの生活の質に直結する重要なものです。多職種の中で管理栄養士が果たすべき役割を明確にし、チームの力を最大化することにやりがいを感じています。また、学会活動や教育活動を通じて、現場で奮闘する管理栄養士や医療者の成長を支えられることも、私にとって大きな喜びです。
若手の皆さんには、キャリアは決して一本の道ではなく、経験の積み重ねによって広がっていくものだとお伝えしたいです。私自身、給食管理から急性期栄養、教育、学会活動まで、多様な経験を通じて専門性を深めてきました。どの経験も無駄になることはなく、必ず次のステップにつながります。そして、日本病態栄養学会は、多職種が集い、最新の知見を共有し、互いに学び合える貴重な場です。学会での出会いや学びは、皆さんのキャリアを大きく広げてくれるはずです。これからも管理栄養士として、そして医療者を支える“専門職”として、現場と学会の双方から医療の質向上に貢献していきたいと考えています。











