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一般社団法人
日本病態栄養学会事務局

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キャリアパス支援

キャリアパス支援

利光 久美子

トシミツ クミコ

所属

愛媛大学医学部附属病院
栄養部 部長

キャリアの歩みと専門領域

私は、国立病院四国がんセンターを経て愛媛大学病院に管理栄養士として勤務し、長年にわたり病態栄養の専門領域において、特に肝疾患・がん・サルコペニアを軸に、臨床と研究の両面から取り組んでまいりました。

大学病院では、重症例や多疾患併存の患者さんが多く、治療経過の中で栄養状態が大きく変動することも少なくありません。がん領域では、治療に伴う副作用やサルコペニアによる身体機能低下が顕著であり、肝疾患では、肝機能低下に起因する代謝異常や食欲不振への対応が課題となります。こうした複雑な病態に対し、「栄養は治療の基盤である」という信念のもと、患者一人ひとりに最適な栄養介入を行うことを心がけてきました。

転機となったのは、肝疾患やがん患者におけるサルコペニアの影響を強く実感したことです。筋量の維持・改善は治療成績や生命予後に直結し、栄養管理の新たな目標としてその重要性が高まっています。この課題に取り組むため、医師・看護師をはじめとする多職種と連携し、サルコペニア対策のチーム医療体制の構築にも尽力しています。

現在の活動と専門職としてのやりがい

現在は、愛媛大学病院での臨床業務に加え、全国国立大学病院栄養部門会議の委員長として、また日本病態栄養学会理事および「がん病態栄養専門管理栄養士」委員長として活動しています。国立大学病院は高度医療を担う特定機能病院であり、栄養管理においても高い専門性が求められます。そのため、関連省庁や各種団体との連携を図りつつ、管理栄養士のスキルアップ体制の整備にも力を入れています。

その一環として、がん病態栄養専門管理栄養士制度の整備や教育プログラムの開発などに携わり、臨床現場の実践と学術的体系化を結びつけることを目指しています。

臨床の現場では、栄養介入によって患者さんが少しずつ食事を摂れるようになり、筋力が回復していく姿に触れるたび、管理栄養士としてのやりがいを感じます。治療が困難な患者さんであっても、「食べる」ことが生活の質を大きく支えていることを日々実感しています。栄養管理の成果は血液データや体重の変化だけでなく、「患者さんの表情の変化」や「生きる力」として表れる瞬間に、最も大きな喜びを感じます。

一方で、肝疾患やがんにおけるサルコペニア対策は、単なる栄養補給では解決できません。栄養・運動・治療の連携が不可欠であり、科学的根拠に基づいた個別化介入を実践することが、私たち専門職の使命であると考えています。

若手医療者・学生へのメッセージと学会参加の意義

これから医療の道を歩む若手の皆さんには、栄養管理が単なるサポートではなく、治療効果を左右する重要な医療行為であることを、臨床現場で実感してほしいと思います。また、当院の理念にもあるように、私たち管理栄養士も「患者さんから学び、患者さんに還元する姿勢」を忘れてはなりません。

日本病態栄養学会は、臨床・研究・教育をつなぐ貴重な学びの場です。学会に参加することで、最新のエビデンスを学び、多職種とのネットワークを広げることができます。私自身も、多くの先輩方との出会いを通じて視野を広げ、臨床の課題を研究へと発展させるきっかけを得てきました。

これからの時代、栄養学はより高度で学際的な分野へと進化していくでしょう。若い世代が新しい視点で病態栄養を探究し、現場に還元していくことが、医療の質をさらに高める力となります。ぜひ学会の場で、実践と学問を結びつける喜びを共有してほしいと願っています。

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