会長挨拶

本田 佳子

 第19回日本病態栄養学会年次学術集会は、2016年1月9日(土)・10日(日)の両日、パシフィコ横浜において開催させていただきます。本学術集会は年々参加者が増加し、最近では医師・管理栄養士に加えて看護師・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士などのさまざまなメディカルスタッフに多数参加いただくようになってきております。これも疾病治療における栄養管理の重要性がますます認識されるようになったからと思われます。このような中、本年次学術集会の会長を拝命いたしましたことを大変光栄に存じております。
 本学術集会では、メインテーマを「栄養食事療法-そのサイエンスとヒューマニティ-」とさせていただきました。栄養食事療法-その実践では、日常生活にて自らが疾病の治療の主体者となり、あるいは疾病を持ちつつも健常に近い生活の質を確保するなど医療環境を日常生活の場にどう整えるかが課題となります。そこで特別講演に江戸東京博物館館長の竹内誠先生をお招きして「江戸の生活様式、そこに生きたひとびとからの知恵」を紐解いていただきます。招待講演では、厚生労働省老年局長 三浦公嗣先生に超高齢化社会において重要な介護予防の対策と課題をご講演いただきます。そしてわが国特有の家族観や倫理観、死生観、価値観などを捉え超高齢化社会の医療をシンポジウムとして企画いたしました。また、厚生労働省健康局がん対策・健康増進課 栄養指導室室長 河野美穂先生から専門管理栄養士の必要性と期待をご講演いただきます。さらに、多職種が保有する専門のサイエンスとヒューマニティ-有機的な融合を目指して、チーム医療の現状と課題をシンポジウムとして、チーム医療の進化をワークショップとして企画いたしました。そのほかにも日本栄養療法協議会合同パネルディスカッション、より実践的なテーマに関するシンポジウム、教育講演および教育シリーズのほか、コントロバシーやトピックスなど魅力的な企画を予定しております。
  本学会において、活発なご討議をいただき、実り多い学術集会になることを期して準備を進めております。皆様のご参加を心からお待ち申し上げております。